こんにちは KCです。
今日は、Caldecott受賞者のMatthew Cordellさんの繊細な絵と共に、静かに、しかし情熱的に進むお話を紹介します。フクロウの鳴き声を聞き逃さないように、1人で静かに読みたい絵本です。
先に感想を述べてしまうと、親の立場で読んでも、胸がいっぱいになる本でした。子どもには、夢中になれるものを見つけてほしいとか、子どもの『好き』を伸ばしてあげるにはどうしたらよいか、自分の関わり方は合っているのか、など悩んでいるところだったので、とても良い絵本に出会えたと思います。
気付いたときには、私はもうフクロウに夢中でした。いつもフクロウのことばかり考えていて、夢にも出てくるほど。どっしりした体、大きくてまるいおめめ、静かにじっと周りを見据える、夜の鳥。
今年の私の担任はコージ先生といって、鳥の研究家。私と同じ年の頃にはすでに、鳥のことをいっぱい勉強していました。鳥の写真や生態について、先生が研究してきたことをたくさん教えてくれます。
先生にとっても、フクロウは特別なんです。
『フクロウはとても静かで、夜の闇にまぎれている。フクロウに出会えるとしたら、それは魔法のような体験だよ』と先生は言います。
今や私も鳥研究家。私とお母さんは一緒にバードウォッチングに行くけれど、お母さんは他の物にも目が移るみたいです。私はこんなに真剣なのに。
どうしてもフクロウを見たい。私は、コージ先生の話を元に、フクロウ研究ノートをつけることにしました。

主人公の女の子ジェニーは、作品中では喋りません。研究を重ねていく真剣な眼差し、フクロウを見つけられなくてがっかりしている様子、それでも学ぶ手も足も止めず、ひたすら調べて、書いて、まとめて、クラスで発表をする姿からは、熱い情熱が伝わってきます。先生もジェニーの研究成果に驚き、一層真剣にアドバイスをしてくれます。
「お母さんは他のものに目が移る…」とジェニーは言っていましたが、お母さんもずっとジェニーのフクロウ研究を見守ってきました。昼でも、夜でも、どこでも、雪でも、ジェニーが行きたいところに連れて行ってくれました。
親として、子どもの『好き』や可能性に対して、どのような形で関わっていくのかは人それぞれ。子どもの受け止め方もそれぞれです。
どんなに頑張っても、悲しい、悔しい結果が待っているかもしれません。その気持ちを消化しきれず、好きなものが辛い思い出になってしまうことだって考えられます。
しかし、好きなものが見つかり、夢中になれること自体が素晴らしいと思います。親としても迷走していますが、子どもが夢中な内は、一緒に応援したいと思っています。