こんにちは KCです。娘のイチカ(第一子)が小学校に入学する際、アメリカの学校事情は全く分からないし、父親がアメリカ人とはいえ、今の学校の様子はオタ夫さんの時代とは違うし、更には半分アジア人ということが足かせになるのではないか、などと悩んでいました。
それはきっと、日本に居ても同じで、保護者としての悩みは尽きませんね。
今日は、“ちょっと変わっている”クラスメイトとの関わりを描いた絵本の紹介です。
日本国内の方はこちら↓
Adrian simcox Does NOT Have a Horse
Marcy Campbell (Author)
Corinna Luyken (Illustrator)
米国内の方はこちら↓
Adrian simcox Does NOT Have a Horse
Marcy Campbell (Author)
Corinna Luyken (Illustrator)
クロエはクラスメイトのエイドリアンのことがあまり好きではありません。いつもぼんやりしているし、机の中も汚いし、先生は「我慢して。理解してあげましょうね」と言うけれど、クロエはうんざりしています。
更にエイドリアンは、馬を飼っているなんて嘘を付くのです。馬を飼うなんて、とてもお金がかかるし、穴の空いた靴を履いているようなエイドリアンには絶対に無理です。それでもエイドリアンは嬉しそうに、金のたてがみを持った美しい白い馬を飼っているのだと、誰彼構わず言うのです。
イライラが募ったクロエは、みんなの前で「うそよ!エイドリアン・シムコックスは馬なんて飼えるわけない!」と叫んでしまいます。それを聞いたエイドリアンは、ただ悲しい表情を浮かべるのでした。
このお話の前半で、エイドリアンは他の子達とは同じように行動できない男の子だということが分かります。日本でいう発達障害を抱えた子なのかもしれません。クロエはクロエで、周りのことを過敏に捉えがちな、繊細さを持っているのかもしれません。
エイドリアンの行動の数々に、クロエが苛立ちを覚える様子がリアルに描かれています。特に、エイドリアンのことをフルネームで呼ぶところに、クロエがエイドリアンと距離を置きたいと思っていることが感じ取れます。
※人をフルネームで呼ぶのは、親しくない関係性や、改まった場、呼びつけて叱るような場が多い
また、お母さんがクロエのことをMs.Smarty-Pantsと呼ぶシーンがあります。うぬぼれや、知ったかぶりといった皮肉で使われます。絵本の中では沈着冷静な姿しか描かれないお母さんが、そんな名前で我が子を呼ぶことにも、深い意味があります。
クロエの気持ち、お母さんの振る舞い、エイドリアンは生きづらさを感じているのだろうか…何度読み返しても深く考えさせられる一冊です。