こんにちは KCです。私が住んでいる町から少し北に向かうと、ニューハンプシャー州に入ります。ニューハンプシャーは南北に長い州で、真ん中にWhite Mountainと呼ばれる山がそびえています。夏は避暑地として、キャンプ、川遊び、ハイキング、マウンテンバイクなどが楽しめ、冬はウィンタースポーツで人気のエリアです。
クマやシカはもちろんのこと、ムース(ヘラジカ)が出てくる可能性があります。大人のオスならば500キロを超え、大きく広がった角を持つシカ科のムースは、その巨大な御姿からは想像しにくいのですが、実は草食。草花や木の皮などを食べています。本日は、のんびりマイペースなムースに出会った男の子、ウィルフレッドのお話。
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This Moose Belongs to Me
Oliver Jeffers
※2024年12月現在、ハードカバーは販売中
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Oliver Jeffers
ある日、ウィルフレッドはムースを飼うことに決めました。なんとも唐突ですね!
ムースなんて飼ったことなかったけれど、少し前にとつぜんムースがウィルフレッドのところに来てくれたのです。僕のお友達になるべくして来たんだと思い、マーセルという名前をつけてあげました。
その日から、ウィルフレッドはマーセルに、良いペットとしてのルールを説明します。マーセルは聞いているのかいないのか、あっちへ行ってはもぐもぐ、こっちへ行ってはもぐもぐ。あまりにあちこちに行ってしまうので、ウィルフレッドは青い紐を自分に結び、迷子にならないようにしなければならなかったほど。
マーセルは、雨からウィルフレッドを守ってくれたり、ウィルフレッドの手が届かないところのりんごを採ってくれたりしました。ウィルフレッドは、マーセルとの時間をとても大切に感じていました。
しかしある日のこと、マーセルを見た婦人がこう言いました。『まあロドリーゴ!帰ってきたのね!』
マーセルが現れてからというもの、ウィルフレッドとマーセルはたくさんの時間を共にしてきました。自分のムースだと信じていました。しかしマーセルは婦人のものだったの?ロドリーゴなの?
恥ずかしくて腹立たしくて、ひとりで家へ駆け出すウィルフレッド。複雑な気持ちのウィルフレッドを見ると、胸が締め付けられる思いです。
ベストセラー作家、Oliver Jeffersさんの可愛らしいイラストと、様々な技法で描かれた背景が、不思議にミックスされています。ぜひ、ムースの住む自然を想像しながら読んでみてください。
《+αのお楽しみ》
アメリカ合衆国内では、州によって成人、投票権、飲酒、車の運転免許取得などの年齢が異なります。消費税や交通規則も変わります。身近なところで言うと、2024年現在、ニューハンプシャー州では、高速道路でもどこでも、バイクのヘルメット着用が義務付けられていません。
ハーレーダビッドソンのような大型バイクに、黒いレザーのベストでキメた人たちが、髪をたなびかせながら時速100キロ超でツーリングしている様子をよく見かけますが…心臓に悪いです。