こんにちは KCです。
近年、日本人作家の方の作品が、英語版となって気軽に手に入るようになりました。図書館や書店で見つけると、まるで自分の手柄かのように『ほらこれ!日本の作家さんが書いてるんです、おすすめです!ぜひ読んでください!』と言いたくなります。
『よるくま』『こりゃまてまて』など、子どもに焦点を当てた可愛らしい絵で大人気の酒井駒子さん。彼女の『ゆきがやんだら』が英訳されています。タイトルは『THE SNOW DAY』2009年のNew York Times’ Best Illustrated Children’s Books(子ども絵本最良の10冊)にも選ばれました。

日本国内の方はこちら↓
THE SNOW DAY
Komako Sakai
※英語版は、日本でも米国でも入手しにくいようで、Kindle版を紹介しています
米国内の方はこちら↓
THE SNOW DAY
Komako Sakai
朝起きようとしたら、お母さんが「今日はもうちょっとおねぼうさんでも良いのよ」と言った。「どうして?」と聞いたら、雪でバスが動かないから、幼稚園もおやすみなんだって。
窓からお外を見ると、一面真っ白。「雪だ!」わたしは遊びに行きたくて、雪の中に飛び出そうとしたの。でもお母さんは、風邪をひくと困るから、雪が止むまで待ちなさいって。
お昼になっても、おやつの時間になっても、雪はちっとも止まなくて、お母さんはお買い物に行けなくなった。その代わり、ふたりだけでカードゲームをしたの。そのうちに、お父さんが乗る予定だった飛行機が、雪でキャンセルになったって電話があった。だから今日はおうちに帰って来られないんだって。わたしたちみんな、早く雪が止めばいいのにって思った。

表情が見えないように描かれているのに、躍動感や喜びが伝わってきます。雪独特の、白く明るいけれど、どこか薄暗く静かな世界が、美しく描かれています。お子さんに読み聞かせながら『このお話はまるで、あなたとお母さんみたいね』と共感できるところもありそうです。
元の日本語版タイトルは「ゆきがやんだら」ですが、雪が止んだらどうなる?と思いますよね。お外に行っても良い!飛行機が飛べるようになって、お父さんが帰ってくる!と、楽しいことが待ち構えていましたよね。お父さんが帰ってきたら、一緒に雪で遊べますしね。
個人的な意見ですが「THE SNOW DAY」というタイトルを読んだ時は、雪の日のお話なんだな、と感じただけで、雪が止んだあとのことまでは考えませんでした。こうして、日英の表現の違いを見てみるのも面白いです。