こんにちは KCです。唐突ですが、庭に植える花や球根を調べていて気付いたことがあります。日本で品種改良された花が、アメリカにも多く出回っているということです。背が高く、深い白のチューリップが『ハクウン』、フリルが可愛い多弁のチューリップに『アケボノ』があり、我が家の庭にも植えました。
また、りんごの『ふじ』も、甘さとさくさくの食感、みずみずしさで、安定の人気を誇る品種の1つです。りんご狩りに行ったときには『ムツ』『シズカ』などの大玉のりんごもありました。なんだか嬉しく、誇らしく、先人に感謝と畏敬の念を抱きます。

日本国内の方はこちら↓
The Barnabus Project
Terry Fan (Author)
Eric Fan (Author)
Devin Fan (Author)
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The Barnabus Project
Terry Fan (Author)
Eric Fan (Author)
Devin Fan (Author)
バーナバスは、通りにあるペット屋さん『パーフェクトペッツ』の地下の地下、そのまた下にある研究所に住んでいました。半分ねずみで、半分ぞうの体を持つバーナバス。おうちは小さなガラス瓶の中で、時々『緑のスーツ』が、バーナバスの好物のチーズとピーナッツをくれます。
バーナバスは1人ぼっちではなく、周りにたくさんの友達がいました。形も色も違う友達が、みんな同じようにガラス瓶に住んでいました。そして友達みんなが知っていました、この地下は『失敗作』の集まりだということを。
研究所に入り込んできたゴキブリのピップが、上の世界のことを教えてくれました。きらきら輝く湖や、緑の森、美しい芝生、空にはまたたく星が見えるのだそうです。バーナバスはいつか、自分も上の世界に行って、美しい情景を目にしたいと思っていました。
ピップは、バーナバスが上の世界に行ける可能性が無いことを知っていました。それでもバーナバスは希望を持ち続けていました。
その時『緑のスーツ』がやってきて、バーナバスたちのガラス瓶をチェックすると、棚に並べ始めました。ガラス瓶には赤いFAILの文字がスタンプされました。バーナバスは困惑した表情を見せ『どういうこと?』とつぶやきます。ピップが答えました。
『君たちはリサイクルされるんだよ。失敗作はみんなそうなるんだ』
細やか、かつ薄暗く描かれた挿絵も手伝ってか、ここまで読むだけでも胸が潰されそうになります。研究所の地下のガラス瓶の中以外、何も知らないバーナバスの無垢な感じがまたかわいそうで辛い。
実際に、植物や食品などは長年の企業努力、トライアンドエラーの繰り返しで、災害に強いもの、気候に合ったもの、多くの実が実るもの、収穫時期が長いものなどが生み出されて、私たちはその恩恵を受けています。
しかし、改良されるのが生命ある動物となった途端に、なかなか残酷で受け止めがたいと感じてしまいます。
この本を読むお子さんの年齢によって、バーナバスの希望のお話として読むか、品種改良の現実を知るお話として読むか、アプローチが変わってくる一冊だと思います。みなさんはどう読みますか?