こんにちは KCです。今日紹介する絵本は、Arnold Lobelさんの作品、日本語翻訳版タイトルは『どろんここぶた』です。幼少期に日本語で読んでいました。
がまくんとかえるくんシリーズでも有名なArnold Lobelさんの作品は、以前にも短編集Owl at HomeやMouse Talesなどを紹介しました。不思議なお話が多い短編集とは違って、このお話は、農家の夫婦に大切に可愛がられているこぶたの冒険物語です。こぶたは食べたり農場を走り回ったりするのが大好きなのですが、その中でも一番好きなのが、柔らかいどろの中にゆっくりとしずむことです。
the small pig likes to sit down
and sink down
in good, soft mud.
行間に挿絵があって改行が多くあるためか、こぶたがゆっくりとどろに沈む様子が感じ取れます。少し長いですが、こぶたの身の上に次々と事件が起こるので、先がとても気になるお話です。
また、挿絵が多く、こぶたの表情がころころ変わって可愛らしいので、お子さんと一緒にこぶたの気持ちを考えながら読むのも良いと思います。
挿絵は山吹色のような黄と、浅葱色のような青緑と、灰色を基調としていて、その色だけで豊かに表現された世界も面白いです。(紙の質や、版元の違いで、色の見え方は異なるかもしれません)
《+αのお楽しみ》
日本語版は「ずずずーっと」どろんこの中にしずんでいきますが、私の遠い記憶の中では「ずぶずぶーっと」だったと思い込んでいました。我が家の子どもたちに、英語版を見せながら、日本語で読み聞かせていたことがあるのですが、ずっと「ずぶずぶーっと」と言っていました…。英語版に擬音表現はなく、日本語ならではのものですから、そんなに間違ってはいませんよね。