こんにちは KCです。
先日、灯台守の絵本を紹介しましたが、もう1つ、表紙の可愛らしさに惹かれて手に取った、灯台のお話を紹介します。

日本国内の方はこちら↓
Lighthouse and the Little Boat
Katie Frawley (Author)
Ben Mantle (Illustrator)
米国内の方はこちら↓
Lighthouse and the Little Boat
Katie Frawley (Author)
Ben Mantle (Illustrator)
ある岬の先に、灯台がありました。強く、がっしりとそびえ、どんな天候のときでも、海を明るく照らし、船を港まで安全に導いていました。足元にある波止場に停まる船達は、灯台に温かく守られている気分でした。『Everything is as it should be. (万事、良好です)』と、灯台は風に呟きました。風は、その通りと言わんばかりに、木々の周りをくるりと抜けていきました。
ある日、ブライトネスという名前の新入りの船が波止場に停まりました。灯台とブライトネスはお互いに自己紹介をし、灯台は、自分が船の安全を守ることを伝えました。ブライトネスは、最初は新しい世界に緊張しているようでしたが、徐々に好奇心が高まってきて、かもめたちと戯れたり、少しだけ波止場を離れたりしました。
秋の風が吹きはじめ、荒れる海の訪れを感じる季節になりました。灯台はブライトネスに、大きな船にうっかり近づくと、ひっくり返されてしまうことや、灯台の光が届かない大海では、危険がいっぱいだということを警告しました。ブライトネスもそれをよく分かっていましたが、波止場に入ってくる他の船の冒険談を聞いている内に、『私の冒険はどんな感じかしら』と考えずにはいられませんでした。
そして、強い風のうなる日、波止場からブライトネスの姿が消えました。

灯台は、いつも堂々としていて、船を守る頼もしい存在です。この物語でも、灯台は常に親のような包容力をたたえていて、安心していられる場所です。一方、世間を知らないブライトネスは、好奇心旺盛で、うっかり羽目を外してしまう子どもそのもの。物語後半はドキドキハラハラが止まりません。
Ben Mantleさんの挿絵は、水彩絵の具とパステル、デジタル加工で描かれています。浅瀬から水平線、朝日に照らされた海、海の中の様子、秋の訪れ、荒れ狂う海、星の輝く夜。1つとして、海は同じ姿をしておらず、どれも細やかで美しいです。
挿絵の可愛さはもちろんのこと、お話がとても読みやすく、船が好きなお子さんに読んであげたい1冊です。お話を通じて、灯台の役割や重要性についても、理解しやすいと思います。