灯台守の仕事を知っていますか?

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海画像 本のご紹介

こんにちは KCです。
Coldecott Medal受賞作家のSophie Blackallさんの作品はどれも、細かく美しい挿絵に惹かれるのですが、この本は、縦長の本の形状も相まって、そびえ立つ灯台と海の表紙絵のインパクトがとても強く、手に取らずにいられませんでした。山口文生さんの訳で、日本語版も出ています。

日本国内の方はこちら↓
Hello Lighthouse
Sophie Blackall

米国内の方はこちら↓
Hello Lighthouse
Sophie Blackall

世界の最果ての小さな島の岩場の上に、その灯台はありました。夕暮れから日の出までの間、海を照らし、船の安全を守ります。灯台守は、光がしっかり届くようにレンズをぴかぴかに磨き、光を絶やさないように油を補充し、燃えた灯芯を丁寧に取り除きます。夜の間、時計じかけを調整して、灯台の光がぐるりと全方向へ届くように気を配ります。

日誌を書き、壁の色の塗り、繕いものをし、お茶を飲み、窓から魚を釣り、鼻歌まじりに食卓につきながら、誰か一緒に話す人がいればなぁと考えたりもします。愛する人のことを思い、数日おきに手紙を書き、灯台を守り、日誌を書いては返事を待ちます。

ある日、物資を乗せた船がやってきました。灯台の火に使う油や小麦粉、肉、豆、そして灯台守の妻も一緒です。灯台のまあるい部屋をぐるりと案内し、灯台を灯し、日誌を書いて、2人で食卓につきました。

ある日の名古屋港

著者のSophie Blackallさんがこの話を描くきっかけになったのは、蚤の市でたまたま見つけた、灯台の断面図だそうです。この細長い灯台を家として住む人の生活とはどんなものだったろうかと、絵や本を読み漁り、博物館や数々の灯台を訪れて、この作品ができあがりました。(詳細は『Hello Lighthouse』のあとがきにあります)

この灯台での、灯台守と妻の生活は何年にも及び、その間にたくさんの出来事が起こります。灯台の中の様子と、日々姿を変える海の中にそびえ立つ灯台の姿が、独特な視点と細やかな技法で描かれています。灯台の放つ光と、海の波の表現も美しく、ダイナミックな映画を見ているような気持ちでした。

《+αのお楽しみ》
アメリカ東海岸の最北の州、Maine(メイン)には、たくさんの灯台があります。海岸沿いに灯台を巡る“通”の方もいて、おすすめルートや周辺の見どころがSNSで紹介されています。
我が家は海より山派なのですが、夏になったら、メイン州のおいしいロブスターを求めて、灯台見学に行きたいと思います。

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本のご紹介
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