こんにちは KCです。
日本育ちの私は、世界の歴史を、日本人の視点でしか学んでいませんが、今こうしてアメリカに住んでいると、異なった視点で歴史を見返すことになり、とても興味深いです。
今日紹介するのは、実話を元にした作品です。本が生み出す、学びや成長への無限大の可能性を感じます。

米国内の方はこちら↓
That Book Woman
Heather Henson (Author)
David Small (Illustrator)
2026年4月現在、日本Amazonでの新書の取り扱いはありませんでした。
《あらすじ》
ケンタッキー州アパラチア山脈の高い山に住む男の子キャルは、とても働き者でした。
子どもたちの中では一番年上でしたから、父を手伝って、畑仕事や羊や牛たちの世話をするのが当たり前でした。
一方、妹のラークは、時間の許す限り、朝から晩まで本に首ったけでした。母も、本に夢中なラークに、そうさせていました。
キャルは、ずっと本を読んでいるなんてくだらないと感じていました。
男が働き、女性は家で家事をするのが、その時代の当たり前だったのです。
ある日キャルは、自分の目に飛び込んできた光景に驚きました。
乗馬用のズボンを履いた女性が、馬に乗って村までやってきたのです。
キャルの村には、訪ねてきた人を温かくもてなす習慣があり、女性を家に招き入れ、お茶を淹れてあげました。
お茶を飲んで一息ついた女性が、馬に掛けていたバッグをテーブルの上に置くと、ラークの目が、宝物を見つけたかのように輝きました。
そこに置かれたのは、たくさんの本だったのです。
2週間に1度、どんなに天候が悪くても、女性は馬に乗って本を届けてくれました。
お金を取らないというので、母は大切にしてきた、ベリーパイのレシピを女性に渡しました。
キャルの心の中で、何かが動くのが分かりました。

1930年代、大統領フランクリン・ルーズベルトの公共事業促進活動の一環で、The Pack Horse Library Projectが始まりました。
当時、家のことをするのが当たり前だった女性たちが、馬に乗って、学校や図書館の無い僻地へと本を届けるという活動でした。
移動図書館なので、本はもちろん無料、女性たちも低賃金ではありましたが、間違いなく、僻地の人々にも学びの可能性と希望を与え、識字教育支援を進めた活動でした。
無料の本のお礼に、村の人々は、自分たちで作った野菜や果物、花、お料理のレシピなどを差し出したといいます。
村や家族を守る、強い男の子として育ってきたキャルが、この馬にまたがった女性との出会いで、心の変化に気づき、妹ラークへの見方も変わります。
アメリカ南部の口調をそのままに書かれた本で、馴染みのある方にはきっと親しみやすく、温かな作品です。
世界には、馬だけでなく、ラクダ図書館もありました。こちらも実話です。

