森でいちばんのこわがりやのりすの、勇敢な大冒険のお話

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こんにちは KCです。
日本で、体調を崩したときには、消化のいいおかゆや雑炊を食べることが多いかと思います。アメリカではチキンヌードルスープというものを食べます。
ベースは鶏ガラだしや、コンソメ味のスープで、にんじんやセロリ、たまねぎなどの野菜、鶏胸を割いたもの、そして柔らかい幅広麺が入っています。エッグヌードルと呼ばれています。ハーブを入れたり、パセリを散らしたり、各家庭の味があるようです。

そろそろ新年度。気忙しい時期ではありますが、どなたもお疲れが溜まる前に、温かいものを食べて一息ついてください。

日本国内の方はこちら↓
Evergreen
Matthew Cordell

米国内の方はこちら↓
Evergreen
Matthew Cordell

森に住むエヴァグリーンは、とにかくこわがり。大きな音、初めて会う動物、高いところ、水のあるところ、バイキン…そして何よりも怖いのは、雷です。
そんなこわがりなエヴァグリーンのお母さんは、スープ作りの名人で、森の誰もが、お母さんの作るスープは最高だと言ってくれます。おいしいだけでなく、まるで魔法の力があるようなのです。
冷えた体を温め、眠い動物を起こし、怒りっぽい動物だって幸せな気持ちになり、病気だって良くなるのです。

ある日、エヴァグリーンはお母さんからおつかいを頼まれました。
森の反対の端に住むオークばあちゃんが、インフルエンザにかかって寝込んでいるので、お母さんの魔法のスープを届けてほしいと言われたのです。森は怖いし、遠いし、エヴァグリーンは1人でそんな遠くまで行ったことがありません。
『だめよ!私には無理だわ!』と怯えるエヴァグリーンでしたが、お母さんはエヴァグリーンの手を取り言いました。『エヴァグリーンに行ってほしいの。オークばあちゃんはいま、本当に辛いのよ。私はメープルおばさんのあかぎれに効くスープも作らないといけないの。怖いのは分かるけれど、あなたなら出来るわ』

エヴァグリーンはしぶしぶショールを羽織り、出かける準備をしました。
『一滴もこぼさないように気をつけてね。オークばあちゃんには、これを全部飲んで元気になってもらわなくちゃ』お母さんはそう言って、どんぐりの容れ物にスープを注ぎ、ぼうしのキャップをキュッキュッときつく閉めました。
エヴァグリーンはどんぐりを抱えると、大きく息を吸って、森へと踏み出しました。

魔法の力をもつスープ、どんな味がするのでしょうね

最初に、りすがどんぐりを抱えている表紙の絵を見た時は、特にどんぐりのことは意識していなかったのですが、お母さんがどんぐりにスープを注ぎ、ぼうしのキャップを閉めるシーンで『どんぐりは容れ物だったの!?可愛い!』と顔がほころびました。

Matthew Cordellさんは、2008年に優秀な絵本作品に贈られるCaldecott賞を受賞しています。お話の面白さはもちろん、挿絵も細かくて、見ものです。特にEvergreenは森の情景が美しく描かれていて、細部まで目を凝らしてしまいます。エヴァグリーンをはじめ、登場する森の動物たちの表情にも注目です。

このほかにも、情景が目の前に浮かぶような豊かな表現は、自分も森にいるような気持ちになります。頭上には鷹が飛び、草原がそよぐ音が聞こえてくるようです。挿絵は時折、つる性の植物に囲まれてフレームのようになっており、それもまた可愛らしいです。

こわがりなエヴァグリーンの大冒険、みんなで一緒に応援しながら見届けてください!

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